【第2話】シールド


突然ですが・・シールドには極性(方向性)があるってご存知でしょうか?ケーブルの部分にメーカー名や型番が印字されてると思います。実はこれが信号の流れる向きを表しているんです。文字を読む方向(左から右)が正しい方向となります。逆向きに繋いでも音は出ますし故障の原因になることもありません。でも・・音色に艶が無くなってしまいます。

今回の薀蓄はついつい無神経な扱いをされがちなシールドの話です。恐らく殆どの方が「音さえ出ればなんでもイイ」ってお考えでしょう。ごもっとです!でもシールドは音の通り道です。楽器の個性を最大限に引き出すのも、個性を殺すのもシールドなんです。 イイ音を出すために少~しだけシールドにこだわってみませんか?


電気的な小難しい話は置いといて、ベースはシールドのクオリティーで音の太さや音色が激変してしまいます。よくシールドを変えたら「音が良くなった」といった話を耳にしますが、正確に言うとシールドによる音質変化は期待できますが音が良くなるシールドはありません!実際には劣化していた音がシールドを変えたことでプラマイゼロに近づくので「良くなった」と感じるのです。信号の劣化が全くないシールドが究極のシールドって事になりますが、電気の特性上劣化は必ず起こってしまうので夢のシールドは存在しません。だから出来るだけ劣化の少ないシールドを選ぶ事が肝心だと思います。ではどんなシールドを選べば良いのでしょうか?


一口にシールドといっても楽器を買った時に付いてくるオマケから、一万円以上のものまで様々です。音の価値観には個人差があるので高きゃイイってもんじゃありませんが、音質や耐久性を考えると3mで3~4千円前後のものをお勧めしたいです。値段以外の狙い目は三つ・・・

『必要以上に長いものを買わない』どんなに優れたシールドでも長ければ長いほど音質は劣化しノイズが増幅します。自宅・レッスン・スタジオ練習などで使用の場合3mもあれば充分です。

『太めのもの』細いシールドより太いシールドの方が外来ノイズに強く強度の面でも安心できます。

『外被覆(絶縁体)が柔らかいもの』取り回しの柔軟なシールドって長持ちする印象があります。


【松田のお勧め】

今までたくさんのシールドを試してきましたが、イチオシは何と言っても【BELDEN/8412】【SOMMER/COLONEL INCREDIBLE】ですね!どちらも突出した帯域が無く耳障りのない素直な音色でベースとの相性抜群です!恐らく過度なEQをしなくなると思います!シールドは消耗品ですが、よっぽど過酷な扱いをしない限り10年以上は楽勝で使える筈です。3mでしたらどちらも3~4千円前後で入手可能。このクオリティーでこの価格は嬉しいです!


実は市販されているシールドってケーブルの部分とプラグの部分は別メーカーであることがよくあります。BELDENもSOMMERも自社製のプラグはありません。最もよく使われているプラグはアメリカのスイッチクラフト社製(画像左)と、リヒテンシュタインのノイトリック社製(画像右)です。

スイッチクラフトは頑丈な作りで音色は太くて派手めです。世界中に広いシェアを誇る最大ブランドです。

ノイトリックはトゲトゲしさを感じない滑らかな音色です。接触不良や破損に強いため放送局やレコーディングの現場では定番です。

厳密に言うとケーブルとプラグの組み合わせによっても音色のキャラクターが異なるのですが・・これ以上こんな薀蓄を知ってしまうと身体を悪くするのでこの辺りでやめておきますね!^ ^

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